【週報】今週(4/18 - 4/22)の振り返りと来週(4/25 - 4/29)の予想と戦略
繰り返しのご挨拶
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◆今週と来週のドル円のポイント◆
〇今週のドル円は週初に126.25円まで下落。週中に約20年ぶり高値129.40円まで上昇。127.45円まで下落するも週末にかけてボックス相場を形成。
〇米国当局者のタカ派発言は依然として相次ぐ状況。米長期金利は上昇傾向。
〇本邦政府関係者による円安牽制発言相次ぐ。
〇欧州当局者のタカ派発言でユーロ需要回復。
〇ドル円、3ヵ月で約16円の値幅を伴う歴史的急騰。
〇テクニカル的に地合いは極めて強い。ファンダメンタル的にもドル円の上昇材料豊富。G20でも世界的円安の黙認姿勢が見られ、円は国際通貨の蚊帳の外状態。
◆今週(4/18 - 4/22)の考察◆
今週のドル円は週初めに、週初に126.25円まで下落。126.40円前後を寄り付いた後、週中にかけて、一気に上昇。週間高値129.40円を記録しました。その後週末にかけてボックス相場(128.80円 - 127.80円)を彷徨う動きを見せました。最終日は反発を見せたものの、再びボックス内に出戻り。今週何があったのかを整理し、来週の戦略に活かしましょう!
【週初】
週初、ドル円は126.40円近辺を寄り付いた後、週間安値126.25円まで下落しました。
大きな要因は日本当局者の相次ぐ円安牽制発言です。
・鈴木財務相:「価格転嫁できず賃金も伸びない状況は良い円安とは言えない。」
・黒田総裁 :「大きな急速な円安にはマイナスが大きくなる。」
売りが一巡すると短期筋のショートカバーが入ります。
ショートカバーとは、売りポジション(ショート)を買い戻すことですが、個々の取引というよりも一定の相場状況を指すときによく用いられます。 FX市場で価格が下落した後に、短期の売りポジション保有者の買い戻しによって、相場が反発することを指します。
【週中】
短期筋のショートカバーをきっかけにドル円は上昇を続け、週中20日の東京時間お昼にドル円は約20年ぶり高値129.40円を記録しました。
上昇が伸びた要因は、以下8点と考えます。
・日米金融政策の方向性の違い
(米金利上昇に伴うドル高と日銀の連続指値オペ実施に伴う円売り)
・ロシア・ウクライナのヘッドライン
(ユーロ経由のドル買い)
・米当局者のタカ派発言
セントルイス連銀のブラード総裁:「かなりのスピードで中立金利に達する必要がある。」「基本シナリオではないが、75bpの利上げを排除しない。」
シカゴ連銀のエバンズ総裁:「中立金利以上の利上げが必要になる」
・米長期金利の急上昇
(米10年債利回りが2.98%まで急上昇)
・原油価格上昇に伴う円売り圧力
(貿易赤字の拡大懸念)
・輸入企業による実需のドル買い・円売り
・短期筋による失望の円売り
(鈴木財務相並びに松野官房長官も円安牽制発言を行うが、円高の反応が限定的。これにより円安の歯止めが効かなくなる)
しかし心理的節目である130円という壁の高さと、日本当局者の更なる円安牽制発言でドル円は伸び悩む展開となります。
・磯崎官房副長官:「為替の急速な変動は望ましくない」
・岸田首相 :「急激な円安には懸念を持ちながら政府としてしっかり対応する」
・木原官房副長官:「為替の安定が望ましい」
これらの発言に加えて、高値を維持していた米長期金利が急落。
20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議を目前に控えた警戒感も相まった事で、ドル円は週中後半に127.47円まで急落しました。
【週末】
しかし、下がったところでは押し目買い意欲も根強いです。
4/1に生成した上昇トレンド下限にチャートが差し掛かると、反発を見せます。
反発材料は米当局者の利上げ発言と世界的円安黙認姿勢と考えます。
・サンフランシスコ連銀デイリー総裁のタカ派発言
「5月にバランスシート縮小を発表することも可能。」
・パウエル議長のタカ派発言
「5月FOMCで50bpの利上げを検討する。」
・セントルイス連銀ブラード総裁
「75bpの利上げは過去にある。」
・世界的な円安黙認
(鈴木財務相による円安に対する訴えにも係わらず各国からの反応なし)
(G7共同声明に為替の安定が盛り込まれず)
◆来週(4/25 - 4/29)の予想◆
ドル円は、わずか3ヵ月で約16円上昇の歴史的急騰劇を見せています。
この間のドル円チャートは日足、週足、月足において強い買いシグナルを示唆する三役好転やパーフェクトオーダーが継続しています。
テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。
ファンダメンタル的に見ても、ドル円の上昇を連想させる材料が揃っています。
・ロシア・ウクライナを巡るヘッドラインニュース
(ロシアが対独戦勝記念日の5/9に勝利宣言を行うとの警戒感によるユーロ売り→ドル買い)
・資源価格の急上昇
(現在はやや落ちつてきた様子)
(ロシアに対する制裁の長期化により資源輸入国である日本の貿易収支が悪化。それに伴う構造的な円売りが定着化している)
・FRBの強気なタカ派姿勢
(米当局者から連発するタカ派発言→FOMCの連続大幅利上げ予想・バランスシートの早期縮小開始への警戒感)
・日銀の金融緩和長期化
(日銀の連続指値オペ継続。黒田総裁も姿勢を変える予想なし)
・日米金融政策の方向性の違いから生まれる日米名目金利差が拡大
(ドル高・円安要因の背景を描く)
・国内輸入企業による実需のドル買い
(ドル円の急上昇によりドル買い円売りを行う輸入企業が大量発生)
・世界的な円安黙認
(鈴木財務相が「G7の合意に沿って緊密な意思疎通を図っていく。」と協調姿勢を滲ませたが、G7共同声明で「為替の安定」は盛り込まれなかった→円独歩安のリスク拡大)
以上のことから、当面はドル高円安トレンドが続く事をメインシナリオと予想します。