インフレリスクによりドル円上昇するも、軟調な株式相場の呼び込まれる円買い。今日はどっちに動く?(2022/5/11)
ご挨拶
読者の皆様、こんにちわ。
昨日より「YSの為替羅針盤」の情報発信形態を大きく変更致しました。
詳しくは下記の内容をご参考頂けますと幸いです。
今後とも、「YSの為替羅針盤」をよろしくお願い致します!
目次
-
今日抑えておくべきポイント
-
先週のチェック項目
-
昨日のドル円相場の特徴
-
本日のドル円相場の予想と戦略
-
YSの勝手な予想コーナー
-
今日のチェック項目
◆今日抑えておくべきポイント◆
〇米4月の消費者物価指数は市場予想を上回る結果。
〇ドル円の買い一巡後は129.46円の安値まで急落。株式相場の軟調さがリスク回避のドル円を呼び込む。
〇欧州当局者がタカ派発言を連発。インフレの脅威に戦うECB。
〇ドル円は方向感定まらない状態。ボラティリティも非常に高い相場感。
◆昨日のチェック項目◆
・米4月CPI
CPI(結果+8.3%、予想+8.1%)
コア(結果+6.2%、予想+6.0%)
➡️ドル円急上昇(詳細は以下)
◆昨日のドル円相場の特徴◆
11日(水)のドル円は一昨日同様、乱高下が多く、方向性が見出しづらい相場でしたね。

この日の東京時間は目立った動きがありません。米国時間に発表される米4月のCPI結果を前に価格は動きません。
東京時間が引けると、欧州勢がドルを一気に売り込みます。通貨バランスを見ると、ロシアの勝戦記念セレモニー前後のポジションを一気に調整している様子と思考。通貨は日本時間の21:30に向かって収束し始めました。

注目された米4月の消費者物価指数(CPI)ですが、結果は市場予想を大きく上回るものでした。これに続き、ドル円の上昇材料が揃って行きます。
・米4月の消費者物価指数並びにコア消費者物価指数は結果を上回る上昇
CPI(結果+8.3%、予想+8.1%)
コア(結果+6.2%、予想+6.0%)
・CPIの良結果を皮切りに米長期金利が急上昇

(CPIの良結果により、米国によるインフレは高止まりしたのでは無いかという安心感が生まれる) ➡️ (FRBによる次回(6月)のFOMCで、75bps利上げが行われるのでは!?という織り込みが再度開始する) ➡️ (米10年債利回りが一気に3.07%近辺まで急上昇) ➡️ (米ドル需要急騰)
以上の流れから、NY時間寄り付き前の朝方に、ドル円はこの日の高値130.82円を記録しました。
しかし、買い一巡すると、すぐに伸び悩む展開となります。
(以下要因)(時系列順!)
・欧州当局者による利上げに対し相次ぐタカ派発言。欧州圏のドル売り目立つ。
フランス中銀のビルロワドガロー総裁:「ECBは今夏より段階的に利上げを開始する」
エストニア中銀のミュラー総裁:「ECBは7月に利上げすべき」「6/9のECB理事会で今後数カ月の利上げ見通しを説明する可能性がある」
ドイツ連銀のナーゲル総裁:「ドイツのインフレ率は今年中に7%近くまで上昇する」「6月末で資産買い入れプログラムを終了し、7月に利上げを行うべき」
ECBのラガルド総裁:「ECBは資産購入終了から数週間以内に利上げする可能性あり」「インフレ見通しは中期的に目標を大きく超えている」
・米長期金利が急低下。これによるドル売り圧力のが増加。
(米10年債利回りが3.07%から再び2.91%ラインへ急低下)

・主要株価指数の動きが鈍い事
(NYダウは前日比420ドルの急上昇を見せたのに、午後にかけて下がっていき、一時前日比▲360ドル超まで急反落)
・上記を背景としたリスク回避の円買い圧力が増加

これによりドル円は再び129円台に帰り戻り、この日の安値129.46円を記録しました。
◆本日のドル円相場の予想と戦略◆
ドル円は乱高下を繰り返しながらも、方向性が見出しづらい動きが続いています。昨日も、東京時間の朝方には、129.60円の安値。CPI発表後は130.82円の高値。その後は129.46円の安値まで下落とボラティリティが非常に高い相場となっております。