127円の壁強し。ブレイナード副理事の発言でドル円強気。
ご挨拶
読者の皆様、こんにちわ。
「YSの為替羅針盤」の情報発信形態を大きく変更致しました。
詳しくは下記の内容をご参考頂けますと幸いです。
今後とも、「YSの為替羅針盤」をよろしくお願い致します!
目次
-
〔時間が無い人向け〕昨日のドル円相場のポイント
-
昨日のチェック項目
-
昨日のドル円相場の特徴
-
本日のドル円相場の予想
-
YSの勝手な思考コーナー
-
今日のチェック項目
◆〔時間が無い人向け〕昨日のドル円相場のポイント◆
〇FRBブレイナード副議長のタカ派発言により、ユーロ経由のドル買い圧力が増加。ドル円が一気に127.50円まで上昇。
〇FOMC議事要旨のサプライズは特になし。
〇ECB関係者のハト派発言が欧州経済の悲観を呼びユーロ売り。
〇ドル円は短期的にレジスタンスラインとサポートラインを探り合う状態。中長期の上昇トレンドは変化なし。
◆昨日のチェック項目◆
・FOMC議事要旨
(議事要旨の適所を抜粋)
「紛争と中国金融引き締めが高まったリスクを経済にもたらした。」
「金融政策をより中立的なスタンスに迅速に移行すべき。」
「全員(FRB当局者)が米経済は非常に強い事を認めるが、労働市場は極めて厳しい状況であり、インフレは非常に高い状態である事も事実と認める。」
「好調な雇用市場を維持しながら物価安定を回復することは現状では困難である。」
「政策上の制限的なスタンスが適切になる可能性がある。」
「すべての参加者がハーフポイント(50bp)利上げが適切であると一致。」
「大半の参加者(FRB当局者)が次回以降2回の50bp利上げを支持。」
「全員(FRB当局者)がQTを支持。多数の参加者は縮小が順調に進んだらMBS(住宅ローン担保証券)の売却を検討することが適切であると言う。」
「インフレリスクに非常に注意を払っている。リスクは上方に偏っている。」
「多くの参加者は政策緩和解除が早ければ今年後半にさらなる調整の必要性を評価するのに適してる」
・🇺🇸4月 耐久受注
耐久受注とは・・・耐久年数が3年以上あると定義された自動車や家具などの耐久財の新規受注額を、米商務省経済分析局が米国内の製造業約4000社を対象に集計した指標です。受注金額が大きいこともあり、月ごとのブレが大きくなる航空機を除いた非国防資本財の受注を対象としています。民間設備投資の先行指標として注目されています。
◆昨日のドル円相場の特徴◆
25日(水)のドル円は堅調な動きを見せました。
東京時間の寄り付き前からドル円は上昇を始め、お昼過ぎには心理的節目ある127円を突破していきました。
この上昇は、ゴトー日による本邦貿易関連企業を中心とした実需のドル買いと推測します。
(公表相場決定にかけてのドル買い・円売り加速)
ゴトウ日(ゴト日、ゴトー日)とは、毎月5日、10日、15日、20日、25日、30日のように5と10の付く日をいいます。企業の銀行の資金決済が多くなるため、実需のドル需要が多くなる傾向があります。ゴトウ日には東京時間の仲値(9:55)の時間にかけて取引が活発に行われ、ドル円を中心に短期的なトレンドができやすい傾向があります。
その後、ドル円は、東京時間引けからロンドン時間のお昼にかけて127円を中心に狭いレンジ相場を形成します。FOMC議事要旨待ちと言った状況でしょうね。
しかしここで、ECB金融安定報告書によるネガティブ見解に加え、ECB当局者によるハト派発言、ネガティブ発言が連発し、ユーロ経由のドル買い圧力が高まりました。(以下詳細)
・ECB金融安定報告書のネガティブ見解
(ユーロ圏経済見通しは弱体化している)
(資産市場が急激に調整されるリスクがある)
・ECBパネッタ専務理事が市場の過度なタカ派折り込みを牽制するハト派発言
「ECBは段階的に金融緩和政策を解除すべきだが、金融政策の正常化と金利を中立水準に戻すことを同一視すべきではない」
・🇫🇮中銀レーン総裁の悲観発言
「来月は経済見通しを下方修正するだろう」
・🇳🇱中銀クノット総裁の発言
「年内は(利上げに焦点を当てる一方)バランスシート縮小の議論を行う可能性は低い」
ちなみに午前中の🇳🇿ドルの買い圧力の急上昇は、🇳🇿中銀が政策金利のオフィシャル・キャッシュレートを2.00%にすることを決定した事によるものです。年末時点の政策金利予想をこれまでの2.22%から3.41%へ大幅に引き上げるなどの追加利上げスタンスを強調した事も要因です。
NY時間は、FRBのカ派姿勢が目立ちました。ECBとは真逆です。他ドル円上昇要素も多々。(以下詳細)
・FRBブレイナード副議長のタカ派発言
「FRBは高すぎるインフレ率の抑制に向けて金融引き締めにしっかりと取り組んでいく」
・主要株価指数の持ち直し
Bloomberg 世界の株価指標より
(リスク選好の円売り再開)
・米金利上昇に伴うドル買い圧力の上昇
(米10年債利回りは2.71%から2.77%まで上昇)
・FOMC議事要旨(5/3ー5/4開催分)の発表
(6月・7月の会合で各々50bpの追加利上げを行うことが適切と判断)
(米国経済は非常に力強いが労働市場は極めて厳しい。インフレ率も非常に高いという観点で全員一致)
(ロシア・ウクライナのヘッドラインや中国における新型コロナウイルス感染拡大の影響でインフレリスクは上向き傾向)
(インフレがピークに達したと確信するには時期尚早)
これらがドル円上昇の支援材料となり、NY時間午後にかけてドル円はこの日の高値127.50円を記録しました。
◆本日のドル円相場の予想◆
ドル円は直近安値126.36円から127.50円まで持ち直す動きを見せてます。