【週報】先週(7/18 - 7/22)の振り返りと今週(7/25 - 7/29)の戦略

ドル円相場を軸に今週起こった出来事や今押さえておくべきポイント。来週のチェックポイントをまとめた週報をお届け!
YS@Investor and Trader 2022.07.25
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目次

  • 先週のドル円のポイント

  • 先週(7/18 - 7/22)の考察

  • 今週(7/25 - 7/29)の予想

***

◆先週のドル円のポイント◆

✔︎ 日銀政策決定会合後に138.88円まで急伸後、週末にかけ135.57円まで急落。

✔︎ 🇺🇸経済指標の不冴ない結果、米10年債利回りの急低下がドル円急落の主な要因。

✔︎ 🇪🇺ECB理事会にて予想を上回る0.5%の利上げにより、ユーロ需要一時拡大。

✔︎ドル円チャートは、テクニカル的に見れば、下方に複数のサポート控えている状況。買いシグナルも点灯中。

✔︎ 今週はFOMC。ドル円が持ち直しが予想される。

***

◆先週(7/18 - 7/22)の考察◆

先週のドル円は、週初138.54円に寄り付いた後、7/19にかけて一時137.38円まで下落するも、売り一巡後は週後半にかけて週間高値138.88円まで上昇しました。

しかし週末にかけて再び下落。週間安値135.57円を記録しました。

先週の動きを各要素から詳しく見ていきましょう。

(各要素は時系列順に箇条書きしております)

📰先週から引き継いでいるドル円動向材料

✅ 7/15に発表された🇺🇸7月ミシガン大学消費者信頼感指数の期待インフレ鈍化

結果:51.1 前回:50.0 予想:49.9

➡︎長期インフレ期待が7月初旬に予想以上に低下

5-10年先のインフレ期待が2.8%(前月の3.1%から低下)、1年先のインフレ期待は5.2%(前月は5.3%)

✅ 🇯🇵🇺🇸金融政策の方向性の違い

🇯🇵日本側の姿勢

✅ (週中)日銀金融政策決定会合のハト派的内容

(現行政策の現状維持が決定。展望レポートでは、CPI見通しの上方修正とGDP見通しの下方修正)

✅ (週中)黒田日銀総裁によるハト派発言

「金利を引き上げるつもりは全くない」「プラスマイナス0.25%程度としているイールドカーブコントロールのレンジを変更するつもりは全くない」「必要あれば躊躇なく追加緩和を講じる」

🇪🇺欧州側の姿勢

✅ (週初)🇮🇹を巡る政局の不透明感が後退

(ドラギ首相の辞意表明に対し、マッタレッラ大統領が辞表受理を拒否した事で政局内の不透明感が後退→ユーロ需要に追い風)

✅(週中)ECB理事会にて、市場予想を上回る50bpの利上げ実施

(マイナス金利からの脱却を決定)

(EUの分断化阻止を目的に、債券買い入れ措置であるTPI(Transmission Protection Instrument)の発表→欧州債利回りが急上昇→ユーロ需要拡大。

✅(週中)ECBラガルド総裁の慎重な発言

「最終的な金利水準は変えない」(市場の過度な織り込みを牽制している様なニュアンス?)

🇺🇸米国側の姿勢

✅ (週初)FOMCを控えたポジション調整

(100bpの利上げ観測が後退した事でドルが全面安)

✅ (週中)株式市場が堅調に推移した事により、市場心理が改善し、リスク選好の円売り圧力が増加。

✅(週末)バイデン米大統領のコロナ陽性報道

📊投機勢の姿勢

✅ (週初)対ユーロでのドル売り圧力上昇

(ユーロドルの大規模なショートカバー)

✅(週中)ECB理事会による債券買い入れ措置であるTPI(Transmission Protection Instrument)の発表による突発的なユーロ買いドル売り。

✅(週末)米金利の低下に伴うドル売り圧力の上昇

(米10年債利回りは5/27以来となる2.72%へ急低下)

🗞発表された指標結果による影響

✅ (週初)7/19に発表された🇺🇸7月住宅市場指数が冴えない結果

結果:55 前回:67

米住宅市場に減速の兆し。米住宅産業協会(NAHB)が発表した7月の住宅市場指数がパンデミックによる経済封鎖直後の20年5月来で最低を記録。また🇺🇸米商務省が6月住宅着工件数は前月比‐2%の155.9万戸と予想158.0万戸を下回り昨年9月来で最小となったことを発表。

✅(週末)🇺🇸新規失業保険申請件数の冴えない結果

(結果:25.1万件 予想:23.9万件 前回:24.4万件)

✅(週末)🇺🇸7月フィラデルフィア連銀景況指数の冴えない結果

(結果▲12.3、予想1.7、前回▲3.3)

✅(週末)🇺🇸6月景気先行指数の冴えない結果

(結果:▲0.8%、予想:▲0.5%、前回:▲0.6%)

✅(週末)🇺🇸7月総合PMI速報値の冴えない結果

(結果:47.5 予想:52.4 前回:52.3)

💣突発的要因

✅(週初)🇺🇸ウォールストリートジャーナル紙のFEDウォッチャーであるニック・ティミラオス記者が「7月FOMCは100bpではなく75bpの利上げになる」との慎重な発言

(週初のドル円下落の起爆剤)

➡︎FRBによる7月100bp利上げ観測が後退した事で🇺🇸金利が低下し米ドル売り圧力上昇

✅(週中)🇪🇺一部の通信社による観測報道

「ロシアと欧州を結ぶガスパイプライン「ノルドストリーム」が7/21に供給量を減らして再開する」との報道→天然ガスの先物価格が急上昇→ドル買い圧力上昇

先週は実需面を中心としたドル円の動きが大きかったですね!

***

◆今週(7/25 - 7/29)の予想◆

今週は、

7/26の🇺🇸7月消費者信頼感指数、🇺🇸6月新築住宅販売件数

7/27の🇺🇸6月耐久財受注

7/28の🇺🇸FOMC及びパウエル FRB 議長記者会見、🇺🇸4ー6月期GDP速報値

など週後半にかけて重要イベントが目白押しとなっております!

特にFOMCは要注目ですね。市場は75bpの利上げがメインシナリオとなっておりますが、100bp利上げサプライズが一つの大きな要因になっています。

先週のECB理事会のように、市場予想を上回る利上げに踏み切る可能性は十分あると考えられます。例え、75bpの利上げだったとしても、その後のパウエル議長による記者会見が控えています。

・足元の冴えない🇺🇸経済指標

これが記者からつっ込まれるポイントでしょうが、恐らくパウエル議長は景気よりインフレ抑制を重視すると強い発言を示すと考えます。

これにより、次の9月、再び利上げ実施を予告するような発言がある場合、

FRBによるタカ派傾斜に変化がない事から、日米金融政策格差の拡大に変化が見られず、🇺🇸長期金利が再上昇する事でドル買い・円売りの圧力上昇。

➡︎心理的節目である140円を超えてくる可能性は十分あると思考しています。

今週も頑張りましょう!

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