「ウチの家計簿の見直しと資産設計を助けてくれないか?」と言われて始まったストーリー|Part3
YS「社長。3000万円の資産設計の準備できましたよ!」
「本間に作ってくれたんや!断り文句やったんやけどなぁ...。YS君もしつこいね。」
「嫌われないしつこさを心がけてます!ちゃんと会ってくれるから、社長は優しいですね。」
「電話で”余剰金のプランニング出来た”言われたら、会わなあかんやろ?こっちが頼んだ事やし。」
「はい!それ狙いです(笑)。社長の為に一生懸命準備しました!」
「分かった。分かった。ありがとう。じゃあ資料を見せて?」
「資料なんて無いですよ。」
「え?資料無いの?」
「無いですよ。だって僕はまだ社長のリスク許容度や投資の価値観を知らないです。それを知らずに資料なんか作れないですよ。今から社長とお話して即席で作るんです!今日は資料を作る為の材料を準備してきました。」
「君、本当に面白いね!」
「やっと気に入って貰えました?じゃあ社長。色々聞いてってもいい?」
「良いよ。隠さず答えるわ!」
「ありがとうございます!社長の家族構成教えて貰えます?」
「嫁と高校生の子供2人(高校3年、高校1年)やわ。」
「子供たちの大学費用はもう用意されてるんですか?」
「それは会社からもらう給与で払っていく予定やわ。シンプルに何も宛の無い3000万円なんさ。」
「了解です!社長、株式投資における年間利回りって平均何%位やと思います?」
「20%位?」
「そんなに無いです!それは不動産投資の平均です。株式投資の場合だいたい年平均利回りは3〜5%です。」
「そうなんや。結構低いんやね。」
「ちなみに3〜5%はインカムゲインを表します。利鞘(キャピタルゲイン)は入ってません。」
「てことは、株式投資で儲けを出すには、利鞘を重視した方が儲かるって事やんな?」
「そうです。インカムゲイン重視の投資とキャピタルゲイン重視の投資は資金の増え方が全然違います。」
「じゃあキャピタルゲイン重視の投資にしようかな!」
「残念ながら今の社長に、僕はそれをオススメしません。」
「何でや?」
「情報の追跡が随時必要だからです。相場の流れや状況を読み解かないとダメですし、時には大きく損切りをしないといけません。投資初心者が損切りするって凄く難しいんですよ。社長はマイナス何十万って表示されてる銘柄を損切り出来ます?」
「出来ないかも....。損益がゼロになるまで待つと思うわ。損切りってそんなに大事なんか?」
「めちゃくちゃ大事です。それが出来ないと機会損失を重ねてしまうんですよ。損切りって行為自体は凄く簡単な事なんですけど、これが本当に難しいんですよ。」
「じゃあインカムゲイン重視の投資をすれば良いんか?」
「そうですね!最初はそっちを重視しましょう。儲けを重視するのではなく、投資環境に慣れる事を優先した方が良いと思います!投資に慣れてきたら少しずつ銘柄を変えて変化を楽しむ方が良いと思います!」
「そっちの方が良いわ!それでインカムゲイン重視の投資ってどんな投資なんや?」
「インカムゲイン重視の投資とは、配当重視型の長期投資を言います。銘柄構成のコンセプトは多々ありますが、経済指標に連動して動く投資信託などに資金を託すのが良いと思いますよ!」
「経済指標って何だ?」
「日経平均株価とかNYクダウなどの国を代表する株式指標です。テレビとかで聞いた事ないですか?例えば日経平均に連動して動く投資信託を社長が買っていると、日経平均が上がると社長の資産も増えるって事です!」
「日経かぁ....魅力あるか?」
「どうしてそう感じるんですか?」
「だってさ、日本の産業が、これから世界と勝負して行けるとは思えないんさな。トヨタが凄い頑張ってるのは認めるけど、電気自動車が世界中で主流になってる今、水素自動車で世界シェアを奪えるか?半導体もサプライチェーンのボトルネックをキッカケに各先進国は自国での生産に力を入れ出したし。製造業なんてさ、MADE IN JAPANブランドも昔ほど強くないし。そもそも少子高齢化が深刻な問題になってるでしょ?移民をちゃんと受け入れないってのがそもそも問題なんだよな...。」
「水素事業は面白いと思ってます!ですが大部分は社長の仰る通り、少子高齢化は本当に深刻な問題だと僕も考えます。しかし経済行動学の観点で言うと、国の経済は発展すればする程、自国人口は減少する(少子高齢化)傾向が強いです。これは世界中の学会で既に証明されてます。アメリカも中国も日本と同じ問題を抱えてるんです。」
(参考文献)
社長「そうなんか!?でもアメリカの人口って増えてるんじゃないの?」
「移民が増えてるんです。実はアメリカは自国民の出生率が減少傾向です。アメリカは移民文化の成熟により経済大国を成した国なんです。」
「人口が増えると消費も増えるしな!」
「仰る通り。経済指標が右肩上がりに上昇するには、人口の増加と国内消費による経済の活性化(GDP上昇)が絶対条件です。これをカバー出来る国は世界中を見てもアメリカはその筆頭になります。」
「じゃあダウに連動して動く銘柄に投資すれば良いんか?」
「それも有りなんですが、S&P500に連動するものが良いかなと思います。」
「S&P500?聞いた事ないな。」
「S&P500はスタンダード&プアーズっていうアメリカの格付会社が算出してる経済指標です。ニューヨーク証券取引所とNASDAQに上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を時価総額比率で加重平均し、指数化したものです!」
「要はアメリカのめっちゃ強い会社を集めて、その株価を一つの数字にまとめたものか?」
「その通りです笑」
「なるほどな。なんでダウはあかんのや?」
「ダウはダウは30銘柄の加重平均を数値化してます。この時点で銘柄数に違いが出ます。またS&P500と違い、ダウの銘柄選定は定量的なスクリーニングのルールが存在しないんです。」
「ん?どういう事?」
「ダウの30銘柄ってどうやって選んでると思います?」
「えー。分からんわ。」
「S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスに属する株価平均委員会のメンバーが銘柄を決めてるんですよ。主に企業の評判、成長の持続性、投資家の関心などを総合的に評価して銘柄は決定されます。簡単に言うと話し合いで銘柄が決まるんです。」
「話し合い!?そんな感じなんか!?S&P500は?」
「S&P500は銘柄選定にスクリーニングを導入してます。条件は、時価総額や流動性、浮動株の比率や、業績などが含まれます。条件を満たす企業をまず選定した上で、セクターのバランスを加味して決定されるんです。S&P500はルールに則って銘柄が決まるんです。」
「へぇ!なんかS&P500の方が良さげやね!!ちなみにさ、さっきからちらほら出てるセクターってのは何だ?」
「セクターってのは業種の種類の事を言います。S&P500の場合、全部で11セクターあります。これが市場経済の状況に合わせて、乱高下するんですよ。」
「動く法則みたいなのはあるのか?」
「もちろんあります。聞きたいですか?」
「聞きたい。YS君の話面白いわ!分かりやすいし!」
「そう言ってもらうと励みになります!本業もしっかりわかるまで説明しますよ!」
「本業の話する前に投資の話続けてよ!」
「もちろん!」
(続く)
読者の皆さま。いつもありがとうございます!下の”無料購読する”をポチッとしてアドレス登録頂くと、記事をリアルタイムでお届けします!
★別で有料購読ページを月額500円で提供してます!元同僚と話した内容などを記事に残してます!ご興味ありましたら購読してみてください!
・過去の記事も読み放題
・毎週届き、いつでも配信停止可
・読みやすいレターデザイン
すでに登録済みの方は こちら