2-3 国債・株価・金利の三角関係(Part2)
国債価格が上がるとなぜ国債利回りが下がるのか?この仕組みが株価と世の中にどんな影響を与えるか見ていくよ!
A:「何で国債の価格が上がると利回りが下がるんですか?」
YS:「逆に何で利回りが上がると思うの?」
「だって国債が欲しい人が増えるから国債の価格が上がるんですよね?」
「うん。そうだね!」
「国債の価格が上がれば、運用出来る資金も多くなるから、利回りって上がるんじゃないんですか?」
「違うんだよ。その考えは株式では通用するけど、債券市場はその考え方は当てはまらない。」
「どういうことですか?」
「じゃあ債券について勉強していこうか!まず問題。債券投資で利益を出す方法は何?2つあるよ!」
「利息と利ザヤです。」
「そう!株式投資と一緒だ。利息(インカムゲイン)と利ザヤ(キャピタルゲイン)。これで大きな資金を動かす金融機関や個人投資家は債券市場で稼いでいる。基本的に稼ぎ方は一緒なんだけど、株式市場には無い物が債券市場にはあるんだ。それは何?」
A:「満期ですか...?」
YS:「そう!!分かってるやん。満期だ。債券には期限がある。満期時(償還時)の金額は変動しないんだ。債券を発行した時から"満期時はこの価格でお返ししますよ"と最初から約束してるんだ。国債だろうが社債だろうが、債券は全てその仕組みで成り立ってる。」
「はい...それは分かってます。でも、だから何なんですか?」
「それ故に、債券価格と金利は逆の動きをするんだよ。具体的に説明しようか?」
「お願いします!」
「10年債国債を例にするぞ。国が10年債国債を発行したとするだろ?国債ってのは国の借金だから、10年後に貸したお金を返してもらわないといけない。この権利が国債の価値(国債の価格)だ。これは分かるか?」
「分かります!」
「債券市場ってのはこの権利が売買されてるんだよ。例えば10年後に100万円返ってくる10年債国債があるとしよう。その権利が今、90万円辺りで売買されてる。国債ってのは安全投資商品だ。国が滅ばない限り無くなる事はない。何が何でも利益を出さなければならないヘッジファンドや投資銀行の連中は株式相場が悪くなった時、資金をどこに移す?」
「国債です!」
「正解。国債も資金を移す候補の一つだ。そうすると国債の債券価格はどうなる?」
「上がります!!」
「そう。上がるね。この時、債権価格が90万円が95万円に上がったとする。そうすると利回りはどうなる?下がらないか?」
「すいません。利回りってのが分からないです。」
「利回りってのは今債券を買って10年後に返ってくる利益率だ。国債は単利だから、利回りは10%だ。(利息も含めると利回りはもう少し上がりますが、簡素化の為に利ザヤのみで話を進めます)債券価格が95万円になったら利回りは下がるだろ?だって満期の時には100万円で必ず返却されるんだぞ。」
「ほんとだ!そう言う事か!」
「分かった?10年後に返ってくる金額が固定されてるから、この現象が起きる。つまりこう言う事だ。景気が良い=金利が上がる(長期金利)=長期国債の利回りが上がる(誰も国債を欲しがらない。景気が良いんだから株式を買おう!)=国債価格が下がる。逆に景気が悪い=金利が下がる(長期金利)=長期国債の利回りが下がる(買ってる会社が潰れるかもしれない。国債を買って安全に資金を増やそう)=国債価格が上がる。こう言う事だ。」
「めちゃくちゃスッキリしました!」
「国債にも色々種類がある。何種類だった?」
「4種類です!」
「そう。短期、中期、長期、超長期の4種類だ。その中でも一番発行数が多いのが10年債国債だ。これは前やったね。景気が正常に動けば、超長期国債が一番利回りが高くなる。景気が良い時は誰も買わないからね。これをグラフで表す事がある。これをイールドカーブって言うんだ。」
A:「イールドカーブって聞いた事あります!」
YS:「イールドカーブは景気によって形を変えるんだ。景気が更に飛躍しそうな時、景気が後退し始める時、景気が完全に後退状態の時。この時は逆イールドカーブが形成される。」
産経新聞より抜粋(https://www.sankei.com/economy/news/190325/ecn1903250024-n1.html)
A:「金利って面白いですね!国債の利回りを観察するだけで、大きく世の中の景気って見えるんですね!」
YS:「面白いよね!更にこの金利が株価にむちゃくちゃ影響するんだよ。」
「今の話聞いたら、影響はするんだなと思いますが、むちゃくちゃ影響するって言うイメージが湧かないです。」
「それは次の回のお楽しみだ!それまでに株価について予習しておいで!」
「分かりました!」
(続く)
<あとがき>
勉強お疲れ様でした!11月中旬にスタートした投資羅針盤ですが、読者さんの応援のおかげで無事2020年最後の記事を終える事ができました。毎回読んで頂ける皆様には本当に感謝してます。ありがとうございます!
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