中国のコロナ対策にドル円は方向性を見出せるのか!?
ご挨拶
読者の皆様、こんにちわ。
昨日より「YSの為替羅針盤」の情報発信形態を大きく変更致しました。
詳しくは下記の内容をご参考頂けますと幸いです。
今後とも、「YSの為替羅針盤」をよろしくお願い致します!
目次
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〔時間が無い人向け〕昨日のドル円相場のポイント
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昨日のチェック項目
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昨日のドル円相場の特徴
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本日のドル円相場の予想
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YSの勝手な思考コーナー
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今日のチェック項目
◆〔時間が無い人向け〕昨日のドル円相場のポイント◆
〇ドル円は東京時間からNY時間朝方にかけて129.77円まで上昇。
〇NY市場オープンより、ドル円は調整が入り、129円前半まで値を下ろす。
〇上海市の感染抑制報道により中国株並びに香港株が堅調に推移。これにより米金利が上昇。米指標も好調だった事がドル円の上昇をサポートしたと考察。
〇パウエル議長、インフレ抑制にさらなる行動を検討する可能性示唆する発言を行う。タカ派姿勢変化なし。為替も反応薄。
◆昨日のチェック項目◆

・🇺🇸4月小売売上高
➡︎予想通りであったが、前回分を+0.5%から+1.4%に大幅修正。個人消費の堅調さを示唆。4ヶ月連続プラス。
・🇺🇸4月鉱工業生産
➡︎企業設備は前月比1.1%増加。製造業の生産指数は3カ月連続プラス。
・パウエル議長発言
➡︎インフレ抑制に積極的な引き締め政策をとるとの発言(想定内の発言)ドル円の反応微小。
・セントルイス連銀のブラード総裁発言
➡︎「次の数会合に0.5ポイントずつの利上げを実施する方向にあるようだと、パウエル議長がこれまでに述べている。」と発言。0.75bp上昇は全く発言しなくなりましたね。
・フィラデルフィア連銀のハーカー総裁発言
➡︎「インフレは高まり過ぎている。私はこれについて非常に憂慮している。」「インフレ期待が不安定化する可能性も懸念している。」「GDP伸び率については、2022年に3-3.5%程度に減速し、向こう2、3年で2-2.5%の潜在成長率に向かう。インフレ率は22年に4%前後に向けて次第に鈍化し始め、その後2年で当局目標の2%に戻るだろう。」と発言。現在は不安定な局面であることを強調してますね。
・クリーブランド連銀のメスター総裁発言
➡︎「今後2回のFOMCでそれぞれ0.5%ptの利上げを実施することを支持する。」「2~3年かけて大幅に縮小するつもりだ。」と
0.75bpの上昇は市場予想が薄れてきましたね。
◆昨日のドル円相場の特徴◆
17日(火)のドル円は東京市場からロンドン市場にかけて上昇。全体的に下落を持ち直す展開が多かったです。


一昨日発表された🇺🇸5月のNY連銀製造業景気指数。これが市場予想を大幅に下回る結果(結果▲11.6、予想15.0、前回24.6)であった為、米長期金利が低下。ドル円も128.84円まで下落してしまいました。
要因は中国の新型コロナウイルスによるロックダウンです。
しかし、昨日の中国上海市にて隔離地域外における新型コロナウイルス新規感染者数が3日連続でゼロとなったことが東京時間内に報道されました。
これにより、東京時間からロンドン時間にかけて、以下要因によりドル円が上昇。
・中国経済を巡る過度な悲観論が後退
・本邦輸入企業の実需のドル買い・円売り再開
・香港市場にて中国株の堅調推移
(ハンセンテック指数は一時6.2%高。香港株の指標ハンセン指数は上昇率が3%超)
(リスク選好の円売り圧力が増加)
・米金利上昇に伴うドル買い圧力
(米10年債利回りは2.87%から2.99%まで急上昇)
➡︎ロンドン市場が本格的に動き出す時間で上昇加速

NY時間においては、🇺🇸4月小売売上高並びに🇺🇸4月鉱工業生産の良結果(小売売上高は前月比+0.9%と市場予想に一致するも、前回分を+0.5%から+1.4%に大幅修正)(鉱工業生産は予想0.5%に対し、結果1.1%と良結果)により、ドル円は上昇を繋ぎ、NY時間オープン前に高値129.77円を記録しました。
その後、調整が入るも下げ幅は小さかったです。NY市場引け後も129.40円近辺を推移しています。パウエル議長や他当局者の発言もありましたが、既に市場が織り込み済みの内容であり、FRBのタカ派姿勢は変わらないという内容だった為、ドル円相場の反応は薄かったです。