FOMC,日銀金融決定会合通過。円キャリートレード再開でドル円再び高値を更新できるか?
『YSのドル円観測日記』は為替に特化した内容を、日々のトレードの参考になるようファンダメンタル・テクニカル両面から考察するメディアです。
無料版では月曜日にテクニカルとファンダメンタルの両面から、先週の動きと今週の予想をまとめた週報を掲載しています。
しかし多くの要因によって予想は転換しています。有料版(サポートメンバー)は週報で立てた予想を状況に合わせて軌道修正。新しい情報を共有できる空間をDiscordサーバーで配信しております。週報でまとめたシナリオが変わった際も即座に対応しています。¥2,000 / 月で参加できます。ぜひご検討ください!

◆エッセンシャルレビュー
日足下降トレンド転換直後の状況から、1時間下降売りシナリオに従い下落。全体としてデイトレレベルではショートシナリオ優位の相場であった。
金曜日以前のYCC修正リーク報道+日銀金融決定会合での事実上のYCC修正により相場が乱高下。一時的に急下落したものの週足上昇チャネルで急反発。方向感のない状態で引ける。
日終了時点での各時間足での目線:月足 ↑ 週足 ↑ 日足 ↓ 4時間足 ↓ 1時間足 ↓ 15分足以下 ↑
▼先々週の考察の振り返り
〈先週の週報〉
◎先週のテクニカル視点予想 (虫の目)➡︎ 15分足規模でのロングシナリオ予想
◎先週のファンダメンタル視点予想(鳥の目) ➡︎ ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想。
結果 ➡︎ 日足規模の下降トレンド転換からの戻り売りシナリオが成立し下落の流れとなりました。前回週報掲載の1時間足規模のショート戦略に従ってショートを打ちたいと考えていましたが、4時間上昇チャネル抜け転換からの戻しの勢いが強く、ショートを狙うタイミングを取ることが難しかった印象です。個人的には、1時間規模の戻り売りシナリオ成立&4時間足高値更新失敗の事実を確認して、下画像赤マルゾーンで15分足規模のショートを狙っていくデイトレ戦略が有効であったかと思います。その後は日経新聞のYCC修正リーク報道により急落。しかし、直下に週足規模の上昇トレンド下限ラインがあり、そこから急反発で引けました。日足以下は下目線ではありますが、下の週足規模のサポートの根拠もあり、今週以降は、三角保ち合いを形成する可能性が高いです。(続きは『◆今週の為替の見通し』にて)


▼先週のトピックス

先週のドル円は、141.68円で週初めをスタート。早々に週間高値141.82円を記録しました。しかし142円の心理的節目を突破する事は出来ず、その後FOMC、ECB理事会、日銀金融決定会合の調整に向けて下落。
IMFのチーフエコノミスト(ピエールオリビエ・グランシャ)によるYCC政策脱却発言も円高の大きな材料となりました。
「日本の物価には上振れリスクがあるため、日銀は現在のYCC政策から脱却すべき」

迎えたFOMCでは、FF金利は予想通り0.25利上げ。記者会見でパウエル議長は「9月は利上げは見送る可能性もある」との慎重な発言が見られました。
このスタンスによりFRBの金融引き締めは休止観測との見方が強まり米金利低下に伴うドル売り圧力は上昇していきます。
極め付けは日銀金融政策決定会合でのサプライズYCC微修正発表。
植田総裁は、これまで0.5%程度としてきた長期金利の変動幅上限を市場の動向に応じて超えることを容認されました。これによりYCCは事実上の撤廃。金融緩和脱却に向けた前進と世界は捉えました。
これにより円キャリートレードは解消の動きを強め、円金利上昇→日米金利差縮小→ドル売り・円買いの圧力が一気に高まりました。
これらがドル円下落の大きな材料となり、ドル円は週末金曜日の午後に安値138.07円を記録しました。
しかし日本市場引け後の記者会見にて、植田総裁の慎重な発言に海外勢は「日銀は当面、追加的な金融緩和政策の変更を行わない」との観測が強まり円キャリートレードが再開。
「基調的な物価2%へ距離があるとの判断は変えていない」「物価上振れが顕在化してからの対応は後手に回り混乱する」「今回の決定は金融緩和の持続性を高めるための措置」 etc
138円の心理的節目から短期筋の強気のショートカバーが支援材料となりドル円は米国時間にかけて上昇。140.90円前後まで値を戻し、週を終えました。
◆今週の為替の見通し
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- ▼今週のテクニカル的観点&ファンダメンタル的観点
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