1-3 投資本なんて読むな!
[注意]話の中に僕の価値観を植え付けるような内容が含まれます。良悪の感想は読者の皆様にお任せします。Aに伝えた内容をありのままに載せます。
(週明け月曜日)
「お疲れ!土日格安SIM聞いてきたか?」
「聞いてきましたよ。行け行けってうるさいから。」
「お前の為に言ってやったんだ。今時、月々スマホに月々1万払ってるなんてアホだぞ?」
「安いんですね!月々3,000円とかザラで。ちゃんと繋がるのか心配になりました。」
「繋がるよ!電話回線は大手3社の回線どれかを使ってるんだ。災害時はどうなるか知らないが普段は全然大丈夫。NOストレスだよ。どこのキャリアにしたの?」
「楽天にしようと思います!クレカが楽天なんで合わせやすいかなって思って!」
「いいね!じゃあAは楽天経済圏に住むって事だな!」
「なんですか?楽天経済圏って??」
「銀行の給与振込、公共料金の支払い、スマホ通信費、買い物、生活の全てのキャッシュフロー(お金の流れ)に楽天を利用する事で楽天ポイントを効率良く貯められるんだよ。そのポイントを貯めたり使ったりして賢く生活するって事を楽天経済圏に住むって言うんだ!」
「へぇ!楽天って銀行も持ってるんですね!知らなかった。」
「証券会社もあるぞ。Aは楽天証券で口座開くと良いよ。」
「そうします!YSさんはどこの証券会社使ってるんですか?」
「SBIとマネックスとGMOとDMM。」
「4つも持ってるんですか....なんか違うんですか?」
「扱う商品によって違うし手数料も違うよ。また追々教えてあげるよ。保険は解約した?」
「まだです。組合に連絡するの嫌で...」
「ダメだ。今日絶対しろよ。はっきり要らないと言えよ。」
「本当に大丈夫なんですか?」
「お前の加入した保険って養老保険だろ?全然大丈夫だわ!」
「養老保険って何ですか?」
「ある一定の期間まで積立して満期になったら満額金+α貰えます。また積立途中に死んでも死亡保険金として満期満額出ますよって保険だ。Aが死んだ場合、受取人は母ちゃんか?利率もたいした事ないんだろ?」
「105%の払戻率って書いてありました。」
「何歳まで払って?」
「60歳です。」
「ゴミだな。解約。時間の無駄だ。」
「ゴミってwww105%でも利率高いなって思ったのになぁ...」
「全然高くないよ。40年毎月払って5%しか増えないんだぞ!?ゴミじゃん。」
「うーん。その辺の感覚が分からないです。勉強してけば分かってきます?」
「分かる!勉強して実際に投資の経験すればその辺はすぐに分かる。」
「あ。昨日格安SIM見に行った時に本屋に寄ったんですよ。投資本っていっぱいあるんですね。YSさんのオススメ本って有ります?」
「今のAにオススメする本は無いよ。」
「え?何でですか?初心者でも分かる系の本も何冊か有りましたよ?」
「良い本はたくさんあるよ。でも今のAに本を進めても挫折して終わるぞ。」
「どうしてですか?」
「話変わるけどお前、カレー好きか?」
「好きです。いきなりどうしたんですか?」
「まぁ聞けって。例えばお前がむちゃくちゃ美味いカレーを作りたいとして、本屋にレシピ本を探しに行くとするだろ?数ある本の中からお前は自分の求める味に合うカレー本を選ぶだろう。本の通りに作って満足し "この本買って良かったな。また作ろ!"って思うだろう。」
「はい。そう感じると思います。」
「でも何でそう感じるんだ?」
「何で!?本の通り作ったからです。」
「それは違う。ポイントがズレてる。大事なポイントはお前がカレーという存在を知ってる事だ。カレーは旨いと知ってる。そして旨味を引き立たせる肉や野菜も知ってる。カレーに対する基礎知識があるから、本の通り作って納得するんだよ。」
「おぉ!そうか!!」
「そう。投資本も同じだ。お前は投資が何物か知らない。この世にどんな投資商品があって、世の中の動きやマーケットの良し悪しでどう動くかも知らない。おそらく投資本には丁寧に書いてあるが、それを実感できない。ほとんどの投資本は万人が手に取って貰えるように構成されてる。だから最初の章は読みやすいかもしれないが、後半につれて初心者は訳が分からなくなり、読み終える頃には迷路に迷い込んでしってるんだ。」
「何となく想像付きます!」
「投資本ってのはな、ある程度投資の事が分かった人が自分の投資方針の確認や新しい知恵を得る為に使うものなんだ。だからゼロの状態の人が投資本を手に取っても、思った以上のパフォーマンスは期待できないんだよ。」
「じゃあ僕は投資について何から勉強すれば良いんですか?」
「Aがすべき最初の勉強は世の中の投資商品を調べ、それが何物なのかを調べるんだ。それと同時進行で積立投資を始める。まずはここから!」
「え!?ちょっとまってください。投資商品を調べるのは納得したんですが、無知の状態でもう積立投資をするんですか?」
「そう。」
「え....何に投資するんですか?」
「経済指標に連動した投資信託の積立投資を始めるんだよ。」
「投資信託....。経済指標って何ですか?」
「日経平均やNYダウって聞いたことあるだろ?国の経済の動きを数字で表した数値だ。国の経済が活性化すれば上がり。衰退したら下がるやつだ。」
「ニュースでやってるやつですね。」
「そう!」
「でも何でそれに投資するんですか?」
「その理由は次教えるよ。いい?今日教えた事もう一回言うよ。最初は本に頼るな。皆これで失敗する。最初は自分で金融商品を調べる事から始めるんだ。自分のペースで良い。株式、債券、不動産、外貨、コモディティ(金や銀などの貴金属、原油や天然ガスなど)、暗号通貨なんかもある。金融商品はそれぞれ形が違うけど、実は一つ一つがしっかり絡み合い、関係性を持ってるんだ。全てこの世の金融経済市場を動かす大事な道具なんだ。道具の種類と使い方を知る事。ここが投資勉強の本当の入り口だ。まずこの6種類をお前なりに調べてみるんだ。小学生がやる自由研究の感覚でいい。例えば株式。株って何だ?から調べ始める。株を持つ事でどんな権利や利点があるのか?どんな種類があるのか?株価はなぜ動くのか?一つずつ丁寧に調べて行くんだ。ある程度深掘り出来たらスタート地点に戻り、更に調べる幅を広げるんだ。株を発行してる会社は自国にどんな利益をもたらすのか?どんな存在であるのか?他の先進国も同じ傾向なのか?逆に後進国はどうなのか?回り道だと思うがこの探求が後に自分の財産になる。インターネットで分からない事は調べまくれ。”株 猿でも分かる”てな感じで検索すればいくらでも分かりやすい資料は出てくる。頭がぐちゃぐちゃになったらノートをとれば良い。知識を自分のモノにするんだ。調べても分からない事があったらまた俺に聞いてくれ。」
「分かりました!!凄く励みになります!!頑張ります!!」
この日を境にAは僕を避けるようになった。話が出来たのは3週間後。他者から「投資は悪。お前は騙されてる。」と洗礼を受けていた。
続く
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次回予告:お前は投資と投機の違いを知ってるか?
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