「ウチの家計簿の見直しと資産設計を助けてくれないか?」と言われて始まったストーリー|Part5
YS「以上が御社に用意したサービスです。余計な人件費を省けますし、事務も効率化しますので、時間外労働の削減もなりますし、社長のお金の流れを一瞬で確認する事ができます。」
社長「初期コストが高いな。。効率面は分かるんだけど……。」
「他社にも安い商品はありますが、社長の会社のハード環境に対応させると値が上がります。ウチもそうですが、その辺は上手に値段調整しますので、僕から契約ください。」
「分かった。ちゃんと検討するわ。時間もらえる?」
「ありがとうございます!1週間後に回答頂きたいです!」
「分かった。連絡するよ。」
「一服行きます?」
「行くけど、YS君も行くの?」
「当たり前じゃ無いですか!そんな寂しい事言わず、一緒に行きましょ!ETFの情報も持って来たんですよ!」
「冗談やん。その情報待ってたんよ!ETF俺も調べたよ!」
「ETF良いでしょ?どこまで調べました?」
「ETFは市場がオープンの時に評価額が動いて決まった額で買えない。投資信託は1日の評価額が決まってて決まった額で買える。」
「その通りです!」
「ぶっちゃけさ、ETFと投資信託って何が違うん?」
「運用方針とコストと出来高です。」
「そんなにあるの?笑」
「そんなにあります。ETFっていうのは、特定の指数への連動を目指して運用成果を出すモノなんです。最初から定められたベンチマークがあるんです。」
「ベンチマークってなんだ?」
「基準です。TOPIXとかNYダウ、NASDAQなどです。」
「例えば僕がナスダックに連動したETFを持ってたとします。ナスダック指数が上昇しました。すると僕の資産も上昇します。って考え方で合ってる?」
「合ってます。バッチリです!一方で投資信託もベンチマークの成果に沿わせた商品もありますが、ベンチマークを上回る運用成果を目指す商品が多いです。そんな商品は手数料がめちゃくちゃ高いです。中にはベンチマークに沿わせてるのに、手数料が高いものもあります。」
「めちゃくちゃ高いってどのくらい?」
「購入して1年持つとして、購入手数料と維持費で年5%超えるものがあります。」
「5%……。それって高いの?」
「高過ぎます。」
「大体どんなもんなん?」
「安くて0.08%、高くても0.7%位です。」
「は?桁間違ってない?」
「間違ってないです。」
「そんなん暴利やん!そんな事して誰も怒らんの?」
「怒らないです。そもそもその事実を知らないですもん。社長が暇あったら銀行や証券会社の窓口行って投資信託のオススメ聞いて、手数料に触れてみてください。当たり前の様に”こんなもんですよ〜”って言われますから。」
「マジで?そんな事起きてたら、ほとんどが損するやん。」
「そうですよ。これ見てください。金融庁が既にデータとして証明してます。」
社長「100人中46人ってヤバいな...。アホくさ。それなら投資信託じゃなくてETFが良いやん。」
「投資信託が全部悪いって事じゃ無いですよ。良い商品も多いです!投資信託を選ぶ際に大事なのは、運用方針とコスト面、ファンドの資金繰りを目利きできないとダメです。」
「良い銘柄の基準が分からんからさ、とりあえずこれってのを教えてくれん?」
「とりあえず、3つのベンチマークを組んでみましょか!米国市場全体をカバーできるものと、イノベーションを中心としたものと、相場のトレンドに合わせたもので。」
「OKOK!米国経済全体をカバー出来るものってダウとかS&P500とか?」
「そうです!S&P500で十分ですがNASDAQも入れましょう。ETFの運用会社がいくつかありますが、老舗所が良いですか?」
「最初はそれが良いな。老舗所ってどこ?」
「ステートストリート社とバンガード社ですよ。ステートストリート社はアメリカ初のETF(SPY)を運用した会社ですし、バンガード社は世界で初めて個人向けインデックスファンドを売り出した運用会社です。」
社長「それが良いわ!そこの会社の銘柄を買うわ!」
「社長もミーハーですね笑笑」
「お前がそうしろと言ったんだろ!笑」
「ごめんなさい笑笑 話戻しますね。米国市場全体をカバーするのはVTIが良いですね!」
社長「1株220ドルもするの!?高くね??笑」(6月中旬の話です)
「昔はもっと安かったんですよ。」
「へぇ。。。これ大丈夫?」
「銀行で売ってる投資信託などに比べれば天地ひっくり返る位、大丈夫です。」
「例えが分からんわ!分かった。1つはこれにするわ。2つ目は?」
「2つ目はNASDAQ100指数に連動する銘柄にしましょ!これは別の運用会社なんですが、インベスコって会社が運営するQQQが良いですね!」
社長「これも高いなぁ…。大丈夫?マジで?」
「強要はしません。オススメ聞かれてるから答えてるだけです!個人的にはオススメです。」
「分かった。とりあえずこれ買うわ。最後は?」
「最後は相場のトレンドに合わせたものです。これはS&P500のセクターに沿った銘柄を選ぼうと思います。社長がセクターを決めてください。前回話をした景気に対するセクター間の移動と今の世界情勢を照らし合わせて決断してください。」
「VTIやQQQと違って、今から選ぶETFは都度売買をするって事やんね?」
「その通りです!世の中の状況が変われば、その都度売買をします。その繰り返しが個別株売買の練習になります。ETFだと、読みを外した時の損失が少ないですし、万一の時もホールドができます。」
「なるほどね。せやなぁ....。半導体が不足してるって騒いでるから、逆に半導体関係を中心としたETFって無いかな?」
「ぶっちゃけますが、QQQ購入で社長の戦略はカバー出来てます。むしろ原油の高騰が匂うので、エネルギー関係のETFなんてどうですか?」
「そっか...エネルギー関係だとどんなのがあるんだ?」
「まずステートストリート社から、Energy Select Sector SPDR Fundってのがあります。ティッカーコードXLEです。こちらはエネルギー関連では最大規模のETFです。」
社長「安いね!」
「社長そればっかですね。世の中の需要に合わせて下さい。」
「ごめんって...。冗談やん。これがエネルギーETFでは一番大きいん?」
「一番というか最大規模ですね。こちらはS&P500の米国エネルギー企業の時価総額加重指数方式を取ってます。ですので上位2社だけで、保有比率が約45%を占めてます。」
「うーん...。つまりどういう事?」
「尖ってるって事です!バンガード社からも出てます。Vanguard Energy ETF ティッカーコードVDEです。こちらは組み入れ銘柄数がXLEの4倍あって手数料が激安です。運用はXLEと同じくS&P500の米国エネルギー企業の時価総額加重指数方式を取ってます。上位2社だけで、保有比率が高いです。」
YS「こんな感じですね!」
「ありがとう。さっそく組んでみるよ。資金割合はどの位がいい?」
「とりあえず最初なんで3等分してみて、様子見てみたらどうですか?焦らんでも大丈夫です。ゆっくり社長の色にポートフォリオが染まっていきます。将来、個別株の話が出来る日が楽しみですわ。」
「せやなぁ。ちょっと買ってみるわ。ありがとう!」
(続く)
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