【週報】13日の🇺🇸5月CPI、16日の🇯🇵日銀金融政策決定会合でドル円レンジ抜け。
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◆エッセンシャルレビュー
先週の週報記載のシナリオに従って138円~140円の価格帯でレンジ相場を形成。ボラティリティ減少によりトレード機会が少なかった相場であった印象です。
▼先々週の考察の振り返り
〈先週の週報〉
◎先週のテクニカル視点予想 ➡︎ 大きな目線では上目線ではあるものの、日足上目線、4時間足下目線でややレンジ気味の相場になる可能性があると見ています。
◎ファンダメンタル視点予想 ➡︎ 米5月ISM非製造業景況指数以外に目立った経済指標が予定されていません。また市場はブラックアウト期間に入っておりFRB当局者からの発言も確認できません。よって上下に方向感を出しづらい状況になるのではないかと思考します。
結果 ➡︎ 予想通りドル円は138~140円の価格帯でレンジ相場を形成。ブラックアウト期間によりFRB当局者の発言は無く、米経済指標と他国中銀の利上げ等の影響により上下する動きとなりました。
▼先週のトピックス
先週のドル円は上下に大きく約2円のレンジ相場(138.75 - 140.45)を形成しました。テクニカル要因とファンダメンタル要因が共にチャート形成の材料となりました。

テクニカル要因の中心は、各上位足の目線の違いと衝突と考えられます。
ドル円チャートの日足において5月中旬以降、上目線が継続のスタンスである一方、4時間足は先週から下降トレンド転換を起こしていますね。(下図)


[POINT ]各上位足の勢力が互いに譲らず、鍔迫り合いをすることでレンジ相場は形成されます。
先週は、日足 VS 4時間足の戦い。この2者の決着が付かず、結果的に三角保ち合いを形成してしまった。と言う流れですね(下図参照)。

まぁこう言う相場は、無理にポジションを取ろうとせず、他の明確にトレンドが出ている取引しやすい通貨ペアでトレードするのが賢明なんですが、それでもトレードをしていきたい場合は、三角トライアングルの外側から内側へ向かっていくポイントで下位足でタイミングを見てデイトレードやスキャルピング中心の戦略がおすすめですね。(下図参照)

ファンダメンタル要因は、米経済指標の悪化と他国中銀の利上げが動向の大きな材料となりました。
・ドル円の上昇材料
➡︎ 日経平均株価の堅調推移におけるリスク選好の円売り圧力上昇
➡︎ 米金利上昇に伴うドル買い圧力上昇
➡︎ オーストラリア中銀並びにカナダ中銀による25bpのサプライズ利上げ
オーストラリア中銀に続いてカナダ中銀もサプライズ利上げを実施した事で円キャリートレードが再開。ドル円とクロス円が上昇する
・ドル円の下落材料
➡︎ 米5月非製造業PMIの予想下回り(結果:54.9 予想:55.1)
➡︎ 米5月ISM非製造業景況指数の予想下回り(結果:50.3 予想:52.4)
➡︎ 米新規失業保険申請件数の予想上回り(結果:26.1万件 予想:23.5万件)
➡︎ 米金利低下に伴うドル売り圧力上昇
➡︎ 日経平均株価急落によるリスク回避の円買い圧力上昇
上記の点から米国のスタグフレーション懸念が上昇する中、他国通貨の需要が高まった事がドル円の上下を示しました。