レバナスに手を出す前に知っておきたい「レバレッジの仕組みとナスダックの市況」
☑︎先物取引がなぜ危険と言われるのか?
☑︎レバナスは危険なのか?
☑︎レバレッジのデメリット。
☑︎相場の転換(金融相場から業績相場へ)から見るナスダックの現在の動きとレバナスに投資を考えてる方へ個人的メッセージ。
読者の皆さん。こんにちわ。
皆さんは「レバナス」って言葉を聞いた事がありますか?
「レバナス」とはNASDAQ100指数(米ドルベース)の値動きに対して○倍の値動きを基準価格に反映させた投資信託を指します。ナスダック指標にレバレッジをかける意味の頭文字を取り、「レバナス」と呼んでいます。(以下レバナスと表記)
日本で販売されてる代表銘柄を出すと、
・iFreeレバレッジ NASDAQ100(大和アセットマネジメント)
・楽天レバレッジNASDAQ100(楽天証券)
などが挙げられます。小さい資金でも比較的短期で資産形成ができるとして、一部の投資初心者から人気を集めています。Twitterを見ると「レバナス民」と呼ばれる投資クラスタが昨年から急激に増えました。
Googleの検索ボリュームの推移を調べる「GoogleTrends」によると、積立投資の代表的なブランドを形成した三菱UFJ国際投信の「eMAXIS」よりも、「レバナス」が検索されてる状態です。
金利という概念が無かった2021年。ナスダックを中心とした株価の上昇相場において、破格のリターンが目立ちました。各メディアが「レバナス」を取り上げるのも頷けます。
しかし、その裏の隠れたリスクの記事は探してみると案外少ないです。
冒頭からレバナスを否定する記事ですか?と思われるかもしれませんが、決してそうではありません!
資産が増えるのは良い事ですし、資産増加の手段としてレバナスを利用するのは賛成です。問題はレバナスの扱い方です。twitterを見てると、
「この人、レバナスの仕組みを分かってるのかな.....?」
と思ってしまう人が結構見受けられます。レバナスを積立投資してみたり、全資産をレバナスのみで保有したり....。中には学資保険を解約してレバナスに全ツッパしたという人も見受けました....。
本記事の結論を先に言うと、レバナスは長期投資には全く向いていない金融商品です。レバナスは本来、相場の節目に起こる歪みを利用して利益を得る金融商品だ!
と強く申し上げます!!
では何故そう言えるのか?本記事でレバナスについて5項目の視点からレバナスを深く掻い摘んでみましょう!
-目次-
☑︎レバナスの仕組み。
☑︎先物取引がなぜ危険と言われるのか?
☑︎レバナスは危険なのか?
☑︎レバレッジのデメリット。
☑︎相場の転換(金融相場から業績相場へ)から見るナスダックの現在の動きとレバナスに投資を考えてる方へ個人的メッセージ。
レバナスの仕組み
レバナスも投資信託の一つですので、大まかな仕組みは他の投資信託と変わりません。投資家から資金を集め、ファンドはその資金を原資にして金融商品を購入します。
投資信託協会より資料抜粋
ではレバナスは他と何が違うのか?レバナスの基準価格はNASDAQ100指数(米ドルベース)の値動きの2倍〜4倍程度となるように人(運用会社)が調整しています。
僕たち投資家は、NASDAQ100指数の2倍のパフォーマンスに期待して投資すれば良いだけですが、運用側(ファンド)は2倍の値動きを目指す為に様々な商品を購入します。
NASDAQ100指数の2倍〜4倍の値動きを目指す為に、投資信託運用会社はどのような金融商品を購入しているのでしょうか?
iFreeレバレッジ NASDAQ100(大和アセットマネジメント)の運用報告書から探っていきましょう!
交付運用報告書より抜粋
交付運用報告書より抜粋
2020年10月20日~2021年10月18日の間、交付運用報告書より以下の3つに投資した事が分かります。
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米国の短期国債(T-BILL)
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ダイワ・マネーストック・マザーファンド
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E-mini NASDAQ100種株価指数先物
3つ目に注目してください!「E-mini NASDAQ100種株価指数先物」という先物市場に上場してる金融商品が出てきました。
先物市場の取引は一般的に超ハイリスクで危険と言われています。投資初心者はなかなか手を出しにくい金融商品が多々あります。
つまりレバナスに投資をする事は、間接的に先物市場の商品を購入している事になります。2倍から4倍の値動きを目指す事ができるのは、先物市場を利用しているからなんですね!
なぜ先物取引は危険と言われるのでしょうか?
先物市場がなぜ危険と言われるのか?
先物取引には一つのルールがあります。
「あるものをある時期にいくらで買う約束をする」というものです。
先に出てきた「E-mini NASDAQ100種株価指数先物」は、先物取引で売買できる商品です。「E-mini NASDAQ100種株価指数先物」をこの日にこの値段で買うという約束を運用会社が売買するのです。
勘の良い方はもう分かると思いますが、先物取引とは約束を売買する取引です。売買対象は株や債券ではなく約束なので、レバレッジを効かせる事が出来ます。先物取引が危険だと言われる特徴はここにあります。
先物取引では証拠金というものが求められ、証拠金を入れることでその何倍もの金額での約束(取引)が可能になります。
例えば、証拠金として10万円を入れてレバレッジ10倍かけるとします。そうすると100万円分の約束(取引)が可能になります。ここで一か月後にある指数を100万円で買う約束をしたとしましょう。一か月後、買った指数が120万に上がっていた場合は既に100万で買う約束をしているので20万円分利益が出たという事になります。逆に1か月後、買った指数が80万に下がっていた場合は既に100万で買う約束をしているので20万円分の損失が出たという事になります。上記の損失が出た場合は証拠金の10万では損失をカバーできないので、残りの10万円は借金となり追加でお金を入れなくてはなりません。この例は10万円の証拠金で10倍のレバレッジなのでまだ何とかなりそうですが、これが100万の証拠金で20倍、またはそれ以上のレバレッジをかけて損失が出た場合は大ダメージになります。
先物取引が危険と言われている理由としてはこのようなことが起こり、数百万、数千万の借金を背負ってしまう可能性があるからです。
現物取引であれば、最悪投資金が無くなるだけで借金にはなりません。しかし先物は大きな借金まで負う可能性があることから超ハイリスクと言われるんです!
レバナスは危険なのか?
先に結論を申しますと、レバナスには先物取引による危険性はありません!