ドル円と金利と米10年債利回りの三角関係
☑︎債券価格と金利の関係
☑︎債券利率と債券利回りの違い
☑︎ドル円と米10年債利回りが逆相関するのはどんな時か?
読者の皆さん。こんにちわ!先日質問箱に、すごく良い質問が届いていました。

頂いた質問を要約すると、

と言うことですよね。確かに混乱しますよね。結論から言うとこの考え方は7割正解で3割は間違ってます!2022年1月からの両チャートを見てみましょう!


このチャートを見るに、2022年1月から現在までは、質問者さんの質問(米長期金利の上昇とは、米国10年債利回りの上昇を表していて、これはドル円の上昇に繋がるのではないのですか!?)通り、ドル円の動きと10年債利回りの動きはおおよそ同じ動きを見せてますね。
ではチャートの期間を5年前から現在に遡って見てみましょう!


ドル円と10年債利回りが逆の動きを見せる場面が3つありました。
質問者さんが悩む理由もここにあるのではないでしょうか?なぜこんな事が起きるのでしょう?
今回は債券利回りについて一緒に勉強しながら、債券利回りとドル円の動きが反発する理由を探っていきましょう!
債券価格と金利の関係

債券利回りについて語る前に、まず債券価格と金利の関係について確認しておきましょう!
投資の教科書的に言うと、金利が上がると債券価格は下がります。逆に金利が下がると債券価格は上がります。
これは一体どう言う事なのか。実際に世の中で起こってる例を元に説明しますね。
「A」と言う債券が発行されたとします。発行時の額面は100、利率は2%、残存年数は3年です。
1年後に世の金利が3%に上昇しました。ここで新たに「B」と言う債券を発行したとします。
もし仮に額面、残存年数が同じで利率だけが違うものが発行されたらどうなるでしょうか?B債券に需要が集中してしまいますよね。
そうなると昔発行したA債券が売れなくなり、相場はパニックに陥ります。
そうならないために、債券市場では昔発行したAの債券価格が下がります!そうする事でA債券とB債券の価値を保っています。
(債券は発行時に額面を100で売り出し、償還時は額面を100にして償還するというルールがある)

逆に世の金利が下がる時も額面が変わります。世の金利が3%から2%に減少した時、既存のA債券の額面が上がります。

このように、金利が上下する事と反対に債券価格が下上する事で、債券の価値は保つ事ができるのです。
債券利率と債券利回りの違い
債券の世界において利率と利回りは似て非なるものです!この2つをしっかり理解する事は大切です!
利率とは、あくまでも額面状の金利を表します。一方、利回りとは利率から得られる利息と債券価格の変化も合わせ、1年間で得られるリターンを表します。


上記の例は、A債券を95万円で購入しています。つまり世の金利が上昇してる局面ですね!こういった場合は、債券利回りが債券金利を上回る結果が出ます。
では逆はどうでしょう?

この場合、金利は3%でも利回りは1.2%と大きく下回ります。
上記の例題2つ共に金利が3%です。しかし相場を取り巻く環境において利回りは大きく違いますね!金利と債券利回りの関係において、
・現在は金利が上昇局面or下降局面の中にいるのか?
・金利の立ち位置に対して、債券利回りはどの様な動きを見せているか?(こっちを重点的に見る)
この2つを意識して見ることがとても大切です!!